バーコード辞典 バーコードの豆知識
バーコードの豆知識
1:バーコードの選びかた
どのバーコードの種類を利用するか、選択するのに参考となるポイントをいくつか紹介します。
バーコードの種類はいろいろありますが、一般的によく使われているのはJAN、CODE39、NW-7、ITFです。
POSシステムでバーコードを利用する時は、ほとんどの場合にJANコードが使われています。JANは桁数が8または13桁の固定で、プリンタに高い印字性能が要求されることから、工業分野や一般的な分野であまり利用されません。
その他のシステムでバーコードを利用する場合、まずバーコードでどんなデータを表わすのかを考えます。アルファベットが含まれるならCODE39を選びます。数字だけならCODE39、NW-7、ITFなどを選択することになります。
次にバーコードを印字するスペースがどのくらいあるか測ります。バーコードの長さは、細バーの幅、桁数、細バーと太バーのの比率によって決まります。マージンの長さを含めたバーコードの長さを求め、印字したいスペースに入りきるかどうか試して下さい。ただし、プリンタの印字精度があまり高くない場合(ドットプリンタやインクジェットプリンタなど)は、細バーの幅を広くとる必要があります。
バーコードの誤読率はITFがもっとも高く、CODE39が最も低くなります。印字したいスペースにバーコードが入りきらない場合は、CODE39、NW-7、ITFの順に印字スペースに収まるバーコードを探してみます。しかし、バーコード読み取りの正確さが要求される場合には、できるだけCODE39もしくNW-7の利用をお奨めします。
2:バーコード印刷のしかた
ソースマーキング(メーカーによりすでにバーコード印刷済)されたものを読ませる場合、印刷の必要はありませんが、独自にバーコード印刷するには次の方法があります。
・テプラ(ラベルライター)で印刷
・Excelで印刷
・Acsessで印刷
・フリーソフト、シェアーソフト等をダウンロードして印刷
・専用ラベラーで印刷
・印刷屋さんで印刷
以上の方法がありますが、プリンタの印字精度があまり高くない場合(ドットプリンタやインクジェットプリンタ等)は、細バーの幅を広くとる必要があります。レーザープリンターや熱転写プリンターがより印字精度の高いバーコードになります。
3:バーコードリーダーの接続方法
USBタイプの場合、接続は本当に簡単です。
パソコンを起動してWindowsのデスクトップが表示されている状態から操作を行います。バーコードリーダー(USBポートを使って接続するタイプ)をパソコンに接続して、このパソコンで利用できるように設定してみましょう。
パソコンのUSBポートにバーコードリーダーの接続プラグを差し込みます。
バーコードリーダーをパソコンのUSBポートに差し込むと、OSが自動的にドライバを検出してインストールするために、別途に専用ドライバをインストールする必要はありません。
※一部の機器ではCD等からドライバインストールが必要なものがあります。(特に2次元バーコードリーダー)
4: ソースマーキングとインストアマーキング
食品や雑貨などの包装段階で商品パッケージにメーカーが直接印刷したバーコードをソースマーキングといいます。ソースマーキングは、JAN8/13で世界的に統一されたコード体系をしています。
これに対して、インストアマーキングは小売業などの社内用商品コードとして、ソースマーキングされていない商品に利用するプライベートなコードです。インストアマーキングに用いられるコード体系は、原則として各小売業者によって自由に設定できます。しかし、インストアマーキングされた商品もソースマーキングされた商品と同じスキャナで読み取られます。そのため、インストアマーキング用のシンボルも、多くの場合JANが利用されています。
また、インストアマーキングにJANを用いる場合は、ソースマーキングと区別をつけるために、国コードの部分は02、もしくは「20~29」の間の2桁を用います。データの桁数は、ソースマーキングと同じく、13桁の標準タイプと8桁の短縮タイプの2種類になります。どちらのタイプも最後の1桁は必ずチェックデジットになります。
5:チェックデジット
JANコード(標準タイプ13桁)の事例
チェックデジット計算方法は以下の通りである。
例えば、JAN企業コード“456995111"、商品アイテムコード“617"の商品があったとすると、そのチェックデジットは、次のように計算される。
求めるチェックデジットを1桁目として右端から左方向に「桁番号」を付ける。
- すべての偶数位置の数字を加算する。
- 1の結果を3倍する。
- すべての奇数位置の数字を加算する。
- 2の答えと3の答えを加算する。
- 最後に"121″の下1桁の数字を"10″から引く。この場合は"10″から"1″を引き算した答えの"9″がチェックデジットである。
- 下1桁が"0″となった場合は、チェックデジットはそのまま"0″となる。("0″の場合は"0″)
JANコード(短縮タイプ8桁)の事例
チェックデジット計算方法は以下の通りである。
例えば、JAN企業コード「491234」、商品アイテムコード「5」の商品があったとすると、そのチェックデジットは、次のように計算される。
求めるチェックデジットを1桁目として右端から左方向に「桁番号」を付ける。
- すべての偶数位置の数字を加算する。
- 1の結果を3倍する。
- すべての奇数位置の数字を加算する。
- 2の答えと3の答えを加算する。
- 最後に"54″の下1桁の数字を"10″から引く。この場合は"10″から"4″を引き算した答えの"6″がチェックデジットである。
- 下1桁が"0″となった場合は、チェックデジットはそのまま"0″となる。("0″の場合は"0″)
集合包装用商品コード(ITFコード)(14桁)の事例
チェックデジットの計算方法は以下の通りである。
例えば、インジケータ"1″、JAN企業コード"456995111″、商品アイテムコード"617″の段ボール商品があったとすると、そのチェックデジットは、次のように計算される。JANコードのチェックデジットの計算式と同じである。
求めるチェックデジットを1桁目として右端から左方向に「桁番号」を付ける。
- すべての偶数位置の数字を加算する。
- 1の結果を3倍する。
- すべての奇数位置の数字を加算する。
- 2の答えと3の答えを加算する。
- 最後に"124″の下1桁の数字を"10″から引く。この場合は"10″から"4″を引き算した答えの"6″がチェックデジットである。
- 下1桁が"0″となった場合は、チェックデジットはそのまま"0″となる。("0″の場合は"0″)
UPCコード(12桁)の事例
チェックデジットの計算方法は以下の通りである。
例えば、UPCの企業コード"0614141″、商品アイテムコード"1234″の商品があったとすると、そのチェックデジットは、次のように計算される。
求めるチェックデジットを1桁目として右端から左方向に「桁番号」を付ける。
- すべての偶数位置の数字を加算する。
- 1の結果を3倍する。
- すべての奇数位置の数字を加算する。
- 2の答えと3の答えを加算する。
- 最後に"45″の下1桁の数字を"10″から引く。この場合は"10″から"5″を引き算した答えの"5″がチェックデジットである。
- 下1桁が"0″となった場合は、チェックデジットはそのまま"0″となる。("0″の場合は"0″)